化粧品店舗スタッフ(美容部員)から店長を目指す

美容部員(化粧品販売)とは

美容部員とは、美容関連商品を販売する仕事で、「化粧品販売のプロ」、そして「メーカーの顔」です。勤務地としては、百貨店や薬局、専門店などがありますが、いずれにしても各売り場で完璧なメイク・ヘアースタイルをした魅力的な女性、それが美容部員です。

そのイメージがそのままブランドのイメージにつながる為、まさにメーカーとお客様の「架け橋」となるのです。見た目も雰囲気も小汚い「橋」の向こう側に素敵な街並が広がっているとは想像しづらいですよね。美容部員は容姿のみでなく、態度や話し方、雰囲気などトータルな面が見られるので、研修時に「美容部員は女優たれ」と教育するメーカーもあるほどです。

 

販売コーナーという舞台で演じ切る為には、知識も必要です。ただ立っているだけではなく、魅力的だとアピールするセリフがなければ人々の心には入り込めません。熱烈なファンを作る為に、美容部員はお客様に慎重に気を配り、丁寧に話を聴き、適切なアドバイスをし、時間をかけてデモンストレーションすることで興味を引き出し、そこから好感を抱かせ、そしてファンへと段階を踏んで導いていかなければなりません。簡単にこなしているように見えて、信頼関係を築いていかなければならない、とても繊細かつ重要なポジションとなるのです。

 

さらに、美容部員の仕事内容はそれだけではありません。華やかに見えて、陰では地味な仕事もたくさんあります。パフを洗ったり、テスターの掃除や在庫確認、売上チェックをしたり、店頭でのサンプル配布やお客様へのDMを書く、といった作業も通常業務に当たり前のように入ってくるわけです。

ずっと立ち仕事ですし、基本的に体育会系です。体力勝負ということですね。大変そうに感じてしまうかもしれませんが、対面での販売ですので、目の前でお客様の笑顔を見られた時や、「あなたのお蔭で」「あなたのアドバイスがあったから」などのお言葉を頂いた時は言葉にならない喜びを感じます。現在、女性は年齢に関係なく美容に関心があり、切っても切れない関係にありますので責任が重い分やりがいも大きいのです。

求められるスキル

美容部員になる為に特別に必要な資格はありません。各専門学校もありますが、有利さはあまりないようです。メーカーなどに入社後、教育期間があり、その期間に肌や顔立ち、ボディ、ヘアーなど美容に関するトータルな知識を身に付け、化粧品の使い方や接客方法などの研修を受けます。研修終了後、実地訓練として、各勤務地に派遣され、先輩のアシスタントをしながら、実際の仕事やより深い知識を覚えていきます。その為、これから身に付けるようなスキルというよりも、潜在的なスキルが必要となってきます。いくつか見ていきましょう。

 

まず、当然ながら化粧品が好きで、美容に興味があること(美意識が高い)。とても学ぶ量も多いですし、流行りも日々変わっていきます。お客様の美をサポートする為には、興味がなくては始まりません。お客様の「綺麗になりたい」という想いよりも、自分自身の「綺麗でいたい、美を知りたい」想いが強く、さらに「お客様の美を支えたい」という気持ちを大きく持つことが重要です。

また、見た目よりハードな仕事ですので、体力があること

そしてきめ細やかな接客ができ、信頼を得るべくコミュニケーションを深くとれることが必要になります。他にもプレゼンテーション力や肌が強いことも挙げられます。

いろいろと挙げましたが、資格が必要ない分、経験は強みになります。結婚などで一度辞めてから復帰することなどもあるようで、それはメーカーが即戦力を求めているからです。大変な時期を乗り越えて多くを学び、実務を積めば大きな武器となるでしょう。

キャリアアップする為には

美容部員に必要なスキルをご紹介しましたが、それではキャリアアップする為にはどうしたらいいのでしょうか?やはり「目先の一歩から」です。

店長と一般社員との違いは、全体を見ることができる(管理できる)力があるかどうかが、一番重要になってきます。一般の美容部員であれば、お客様のことと自分の売上のことを考えていればよくても、店長になれば、店全体の売上や後輩美容部員の管理・教育なども任され、責任は重くなります。権限が増える分義務も増える為、仕事量も増えますし、偉くなったから好きにできるのではなく、自分よりお店やスタッフのことが優先されるのです。

 

そういったことを知った上で、まずは自分の知識を増やすべく勉強し、接客の上手い先輩の話術を盗んでいくのです。そういった地道な努力がお客様の信頼へつながり、信頼の糸をあちこちに伸ばすことで、売上という結果がついてくるのです。中にはメイクの専門学校でプロの術を教わり、お客様に引っ張りだこになっている美容部員もいるそうです。そういった技術でも話術でも笑顔でも、自分らしい武器を身に付けることが自信につながり、自信を持った魅力がお客様を惹きつけることはよくあることです。お客様とスタッフの信頼を得ること、それがキャリアアップに必要不可欠なものなのです。

 

ある美容部員Aさんは、入社後5年間BA(ビューティアドバイザー)として店頭で働き、その後トレーナー職を3年、チーフ(現場責任者)を1年半経験し、今ではマネージャー(BA管理職)をしているそうです。現在の仕事内容はBAへの指導や育成。また、情報や知識・技術を各店舗に伝達し、組織を活性化することも仕事のひとつのようです。キャリアアップに必要なこととしては、常に目標を高く設定し、それに向かって努力できる力を持っていること、だそうです。

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まずは美容部員になろう

資格が必要ないと言っても、美容部員は大変人気の高い仕事で、化粧品会社の場合、通常競争率が数十倍以上、なんてこともザラだという狭き門です。基本的に会話を含むトータルでの適正を面接で重視するようですが、一応関連のある資格を紹介しておきましょう。

メイクセラピー検定、色彩検定、カラーコーディネーター検定です。資格は、あくまでも小さな武器が増えたと思っておいたほうが良いでしょう。資格があるから採用、とはなりません。あなた自身の魅力を研究し、その場でしか会えない面接官にいかにアピールし、短時間でハートを捕えるかです。それは美容部員の仕事と似ているので、無事採用された暁にはきっと素晴らしい販売員になれるでしょう。

就業するにはどんな方法があるか

就業するには様々な方法があります。もちろん正社員もそのひとつですし、その他にも契約社員や派遣社員、紹介予定派遣、アルバイトなどがあります。その中でも今派遣を利用する方が大変増えています。その理由を見ていきましょう。

 

派遣は正社員との待遇の違いや更新時に辞めさせられる可能性もあるのですが、働く環境が実際によくわかるというのが一番の利点です。どんなにそこのメーカーが好きでも職場が働きづらかったら長続きしないですよね。メーカーによって雰囲気も特色も違いますし、それは働いてみないとわかりません

実際に中に入ってみることでいろいろなことを知ることができます。そしてここで社員になりたい!と思えば、そのチャンスを待てばいいのです。頑張っていれば更新時に正社員になれる場合もあるようですし、正社員の募集が出た時に応募してもいいでしょう。実際に働いていた経験があれば、入社後の相違は非常に小さくて済みますから、リスクが避けられます

また、自分の好みやライフスタイルに合わせて仕事を紹介してもらえたり、メーカーとの間に入ってもらえるので直接言いづらいことも言えたり、というのも派遣のメリットです。

是非一度アデコを見て足を運んでみてください。まずはそこで相談にのってもらってから今後を考えてみるのもひとつの手なのではないでしょうか。

 

しかし、本当に美容部員になりたい!という方は、自分がどのメーカーが好きなのか、どういった場所(百貨店なのか専門店なのか、など)で働きたいのかを具体的にリサーチしておくとスムーズに話を進めることができるでしょう。美容部員は40代になっても働ける職場です。是非今のうちからチャレンジしてみてください!

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